性暴力を予防するための思春期の教育や対応

☆会場でのスライドをそのまま使うのはいかがなものかというご指摘をいただき、各みなさんに承諾をいただいております。

 

まずはじめに、榎本クリニック 斎藤さん。クリニックで加害者の治療に携わっている。
榎本クリニックは加害者の治療もしている精神科クリニック。

「性暴力の社会病理と予防教育」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170827-00006568-bengocom-soci

ちょうど本を出したばかりなのですね。

この記事に、「長距離通勤者の属性考えたら当たり前だろう」というコメントつけている人も見ましたが、その方は治療に携わっているわけではないので、スルーでいいでしょうね。

実際治療にあたられている方は、本当の加害者像と被害者像を知ってほしいとのことでした。

 

 

一番多い性犯罪は痴漢である。加害者で一番多いのは四大卒の家庭持ち。そして、一般的に知られていないこととして、痴漢は勃起していない。原動力は今まで言われていたような性欲ではないのでは?という疑問が生じた。

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ほとんどの加害者は交番の前ではやらない。明らかに計画性を持ち、被害者を選別している。そしてスキルアップをしていく巧妙になっていく。性犯罪の90%は不起訴で、ほとんどが泣き寝入りである。ある調査では、1人の加害者が生涯の被害者の数は380人。逮捕されなければ行動変容は難しい。

 

加害者治療は、奈良の小1誘拐殺害事件から始まった。

 

刑務所から出てきてすぐに性犯罪を犯す現実。継続した専門プログラムは義務付けられていない。

 

リスクに応じたプログラムを編成し、受けてもらう。
加害者家族の支援は、ドロップアウト率に影響するため、家族の支援は大事

 

(まぁ理解が得られなければ縁切られてそうだけど、支援者がいないと再犯はしそう)。

 

変化させやすいリスクについて焦点を合わせる。生育歴など変化しないものには焦点を当てない

 

(今まで生育歴が犯罪を引き起こすように思われていたし報道もされてきたけど、変わりようのない過去のことに焦点を当てても何も変わらない。将来のためには修正可能なことについて何がリスクなのかを考えていくということである)。


文化や学習のスタイルなど、変化しやすいものからアプローチしている。
生育歴から性犯罪を行う者はわずか。生育歴が性犯罪を惹起するというのは「神話」である

(光市母子殺人事件なんかはそういう分析がされていたように思うけど)。

 

性犯罪の加害者は、継続してプログラムに参加し続ける必要がある。一生欲求はなくならないからである。


コーピングは大事で、別のことをすることで性犯罪に至る前に気づく、自制する行動。保冷剤を握るなどのセッションを行う。輪ゴムをはめておいたり、デスソースを舐める人も。
電車に乗るときは手袋をはめるのもコーピングである。痴漢は手袋をしない。感触が伝わらないからである。
自身のコーピングの開発が大事。嫌いなアロマオイルを持ち歩くなど。

ここで被害者に多い特徴だが、圧倒的に「逮捕されなさそうな人」。

 

(わかるわー!!!泣き寝入りしそうな人でしょ。だから学生とか幼児が選ばれるのだろうな)

おとなしい人が選ばれる。加害者が被害者を選ぶにあたっての最優先事項は、「逮捕されないこと」。

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続いて、佐賀県DV総合対策センター
原健一さん
性暴力被害者の支援と予防教育を行っている。

 

センターは、当時の知事の意向で作られた。都道府県で唯一の施設である。好きにやれと言われた

佐賀県知事グッジョブすぎない?全国的に賞賛されるべきじゃない?)。

中学生向けに資料作成。性犯罪は、法律で取り締まられているのは一部にすぎず、広義には女性の望まない性的な言動も含む。
(ハラスメントってやつですね)

カウンセリング29回分を公費でまかなっている。(いいぞ佐賀県!!!!)

 

新たな取り組みとしては男児の被害も対応し、口腔咽頭その他の性感染症の検査を始めようとしている。
後遺症のケアまではできていないのが現状。
今までに1220件に対応、60%が強姦被害。50歳以上でも幼少期の性犯罪について引きずっている人のケアをしている。

(性犯罪は魂の殺人と言われているが、一生にわたってその人を蝕み続けるということですね)

 

SNSで起こっている性犯罪は、悩み相談から会うケース。加害者は傾聴スキルがかなり高い。自分に惹きつけて犯行に及ぶ。
(保護者の方!!!!これ必修問題です!!!!)

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子どもは黙っているだろうと思われているのかも。
被害者は多重の被害を受けていることが多い。DV家庭など。
12~19歳までの被害者の事例。どの家庭もネグレクトや暴力を受けていた。

成人で被害に遭うのは、会社の飲み会で上司から呼び出されてレイプというケースがかなり多い。LINEで呼び出されるケース多し。

(上司とLINEで繋がるのは、LINEに限らずSNSでは極力繋がりたくないわ。公私混同してくるやつおるし)

SNSでは性的接触目的が90%。

(これも必修問題ですよ!!!!!!)

 

続いて、日赤九州看護大 永末美雪さん。吉村医院で仕事をしていた(個人的には吉村医院にはマイナスの印象しかないので、紹介のエピソードとしてこれはプラスな情報かなあ…という疑問が…)

性犯罪は、男性では幼児、女性では20代が被害者として多い。

(逮捕されないこととかが前提だとそういうことになるんでしょうかね。)


中学生のほとんどが性犯罪は自分に無関係だと思っている。自分の問題として考えられるように教育するのが予防。

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ここからは、質問とそれに対する答えなど。
痴漢加害のきっかけは偶然触れることで始まったり、あと他人が痴漢しているのをみて自分も、と始めたり、倒錯的なサイトを繰り返し見て実行に移すパターンも。あと、同じ駅で加害者と被害者が同じ駅で降り、そのままホテルに行ったと主張している人もいたが、加害者側からしか聴取していないので真偽のほどは不明とのこと。

 

AVは抑止力になるか?→加害者になっている人にはトリガーになるので抑止力にはならない。
治療に関わることで批判されることも多い。被害者からの批判もあるし、男性側からだと加害者になる可能性について認めたがらない、加害者性を認識することが大事。

(まぁ依存症という認識はまだまだ知られていないように思いますからの)

 

社会で認知されているのは、被害者は被害者らしくしろということ。先日、元TBS社員にレイプされたとしてジャーナリストの詩織さんが第1ボタンを開けて会見したことで、視聴者から大バッシングを受けた。そういうことが世間の被害者かくたるべし論を象徴している。

 

最後に座長80歳の締めの言葉、思春期の男子は性欲のかたまりである、昔は手を握るのにも苦労した、簡単に触らせてもらえなかった。イタリアではハグなどが当たり前、エスコートは腰に手を回す、それが当たり前。文化。痴漢や盗撮は日本の文化と言えるのではないか。

 

(そうなんですか…これはまあ、率直に言って So what的な感想しかありませんでした。文化は尊重するものと教えられてきましたし、イージーにボディタッチをする習慣の国々もあるでしょう。どちらかに合わせる必要はない、しかし強制はされたくない。触れられたくない相手にNOと言える私、NOと言われたら了承する私でありたいものです)。