読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

こんなもんだと思うな生理痛~内膜症の話

産婦人科の外来やっててけっこう驚くのが、「生理痛はこんなもんだ」と我慢している人があまりにも多いこと。

 

「痛みで吐く」「学校や仕事は月のうち2日くらいは休んでしまう」「のたうち回るほどの痛みだが我慢している」

 

いやいや、個人的には生理なんて血が出てるのか出てないのかわからないくらいだし、痛みどめを使うこともほとんどないし仕事休んだこともないって。

特に「痛みどめを飲んでも効かない」痛みは「まーこんなもんだと思う」」でほっとくな。

 

エコーやMRIで検査しても全く病気もないが痛いってパターンは、よく知らんけど思春期くらいの女の子に多い。

 

成人以降要注意なのが子宮内膜症

 

わかりづらい話になるが、子宮は毎月妊娠に備えて内膜という組織が分厚くなる。妊娠しなければ、次に備えてそれが剥がれ落ちるのが生理というやつで。

原因は不明だが(月経血が卵管を通って逆流するのが原因とする説はある)、内膜が子宮以外の場所に落ち着いて、生理のように膣から出血するみたいな出口がないので、腫瘍のように大きくなっていくのが内膜症。卵巣にできることが多いけど、風船のように膨らむだけでなく、周りの子宮や腸に癒着といってべったりはりつくことがある。不妊の原因でも多いよ。破裂することもあるし(超激痛)、まれだけど癌化することもある。そんなわけで、

 

・生理痛が痛みどめを飲んでもよくならない

・排便時に肛門がめちゃくちゃ痛い

・生理じゃないときにもおなかが痛い

そんな人は一回産婦人科行ってほしい。

 

治療は様々。

ピル:費用は月3000円くらい。血栓のできるリスクはあるが、妊娠して血栓のできるリスクの6分の1程度。毎日飲むめんどくささはあるけど、連続して3か月くらい飲み続けて、生理の回数自体を減らすこともできる。旅行や水泳、この日はセックスしたいイベント日など、お好みで期間が調節できる。月経前症候群の治療にもなるから、どっちもある人には両方治療できていいかもね。

 

ディナゲスト:保険が効くけど、値段が高い!1錠470円て!ただし今度ジェネリックが出るらしい。痛みメインの人によく効くが、長期の内服で骨粗鬆のリスクが上がるといわれている。不正出血の続く人が多いけど、ほかの治療と組み合わせると副作用が減るとは言われている。

 

IUS:避妊用のリングとして登場するも、生理の量が多い人や痛みのつらい人、内膜症の人にメインで使ってる。費用は10000円以下で4年程度はもつ。外来で簡単にいれられるのと、お産したことがない人はちょいと入れにくいが、ピルのように年齢で上がるリスクなどがなく使い勝手が良い。10%ほどで生理の出血そのものがなくなる。短所として抜け落ちて入れ直しになることと、たまに腹膜炎を起こすことがあるとのこと(毎週のようにいれてるけどまだその合併症はなし)。月経前症候群には効果なし。

 

手術:いまどきは腹腔鏡という小さい傷だけでできることが多いけど、やっぱ最終手段というか、2年以内の再発が多い。不妊症とか、かなり腫瘍が大きくなった人の治療法。

 

偽閉経療法:昔はこれがメインの治療法。点鼻薬と月一の注射とあるんだけど、月に1万円以上かかるのと、無理やり閉経したと体に思い込ませる治療法で、更年期症状がガッと出る人が多いので、最近は手術ありきで小さくするために使うとかって人が多い。保険上半年しか使えないので、症状が元通りになったり、内膜症の治療としての使い勝手はあんまりよくない。

 

妊娠する:これは治療法がほぼないころ、産婦人科医が「妊娠すればよくなるよ」と言っていたものです。「妊娠したいわけじゃねえ」という声をガン無視した無神経な発言をされた方も多いのでは。でもまあ、妊娠したくて内膜症の人は、妊娠するのが治療にはなります。あと、不妊の原因になるから妊活始めて1年以上妊娠しなかったら産婦人科に行くといいよ。

 

そんなわけで、生理痛から見つかることのある内膜症の治療についてでした。自分に合った治療法を選択してみてください。