救急車を不正利用する妊婦、マジでいるんすか問題

「陣痛時、妊婦の救急車不正利用、タクシーがわりの利用が救急医療を圧迫している!」という意見をツイッターで見て、「ずいぶん治安の悪い地域で勤務されてる先生なのかな…」とまず思ってしまった。

赤ちゃんを産んですぐに赤ちゃん捨てようとした産婦が、股からへその緒ぶら下げてダッシュして逃げた話とか、母乳好きのための風俗で働くおねえちゃんが常に母乳を出す必要があるため、妊娠しては子どもを捨てる話を聞いたことがあったので、そういう地域なのかなと。
そういう、一般的に考えてクレイジーな世界じゃないと、陣痛が来たらイージーに救急車呼んで産院に到着する妊婦というのは想像し難かったわけです。

通常、妊婦はかかりつけの産院があって、初期は4週ごと、最後は毎週通います。その中で、陣痛が来たら?破水の時は?救急車を呼ぶ時はどんな時?といったことについて妊婦と話し合います。夫が出張や夜勤でいないこともありますし、すでにお子さんのいる方では誰に預けるのかといった個別の事情にどう対応するのかは、結果的に安全なお産を守ることにつながるからです。つまり妊婦がどう産院にアクセスするかを把握するのも業務のうちと考えています。

そもそも、タクシーがわりというか、陣痛が来るまでになーんも対策をせず「陣痛きたんで救急車呼びます」といって来院した人を私は見たことがない。外来で「陣痛来たら救急車呼んでいいんですか」ときかれることはあるけど。
いや、そういう妊婦がゼロなわけじゃないだろうけど、救急医療を圧迫するほどの人数はいないと思うわ…。
どこの病院にも受診したことのない妊婦が陣痛きて動けなくなり、どこに行けばいいのかわからなくなって救急車呼ぶパターンはあるけど。タクシーがわりでもないし、不正利用でもないわな…。
念のため、ながらく周産期センターで働く助産師にもきいてみたけど、タクシーがわりに救急車使う妊婦の経験なし。友人の産婦人科医も複数の病院勤務経験あるけど、そんな妊婦はいないと。
当該の先生はよほどそのような妊婦に当たっていたのかもしれないのですが、あたかも妊婦の大勢に何も考えてない、対策も講じない方が多いかのような煽りで大炎上してしまった感があります。生活保護受給者や高齢者にも範囲を広げたのもあまりいただけなかったですね。

私は今、ド僻地の周産期センターでも働いているわけですが、ド僻地というのは過疎化が進んで産婦人科がどんどん減って、結果的に妊婦が通院する産婦人科がクッソ遠くなっています。近くに産める産院がない。そんで片道2時間とかかけて外来に来てる。
じゃあ、そういう地域でなにが起こってるかというと、車中分娩や、間に合わずその辺でお産になる事例の多発です。救急隊とスタッフで電話で指示しながら到着を待ち、新生児科医が蘇生キットを持って駆けつけるというのも稀ではなくなってしまいました。
ゆえに、問診で「これは間に合わないな」という妊婦は前もって計画分娩にしたり、近隣の施設で待機してもらって陣痛を待ったりしています。早産になりそうな妊婦は満期になっても退院せず陣痛くるまで入院とかもあり。車中分娩になった事例に対しては、担当医が「ちゃんとリスク説明したのか」「病院に来るまで何分かかるか確認しとったんか」とカンファレンスでつっこまれます。そこまでちゃんと仕事せいと。
今後、そういった救急車の利用は増えるだろうと個人的には思っています。そして、呼ぶのをためらうようになってはいけないとも思っています。
それが救急医療を圧迫するというのなら、救急のインフラ整備をするべきじゃないでしょうか。

ただし、この話、ガンガン炎上し、「陣痛で救急車呼んだっていいじゃん!」論も多く目にしました。とりあえず、妊婦はかかりつけときちんと相談しておきましょう。現場からは以上です。

死にたいと言われたときにド素人はどうしたらいいのか

ガチで死にたいと言われて、多分動揺しない人はいないと思う。

全く別の理由で会いに来ると思ってた知人から、「どうしたら楽に死ねますか」「どうして死ぬ方法を考えてくれないんですか」といきなり言われて、まず自分の思考が停止するのがわかった。楽に死ねる方法を仮に知っていたとして、教えられるわけがなかろう。かといってこの瞬間私はどんな言葉を口にすればいいのか。

 

精神科の教科書をみても、一般的なことは書いてあっても個別の対応なんて書いていない。
ので、いつか誰かの参考になればいいのだけど、と思って書くことにした。
医療者でなくとも理解不能な話ではないと思う。

 

とりあえず話をきくと、死にたくなるに十分だろう理由があった。
これはどんな言葉も響かず、虚しく消えていくだけだと確信した。大変だったねとか、つらかったねという言葉は滑っていくだけだ。

薬もたいして効果はないだろうと推測された。どれだけ寝ても絶望は記憶から消し去ることはできないし、目の前に横たわって動かないだろう。薬でどうこうできるレベルは果てしなく超えている。

 

それでも、何かアクションを起こすのが人情だろうなと思う。
リンクは、死にたいという人を見かけたら、という精神科医による記事。
やってはいけないことは、説教と議論。
https://www.buzzfeed.com/jp/satoruishido/toshihiko-matsumoto?utm_term=.jvY3VLLRWn#.qy8JZqq38O

 

まぁその人の場合、すでにきちんと精神科に通院していた。

今回感じたのは、身近な人による、現在の精神科かかりつけの否定、治療方針への不信を煽る言葉、勝手に転院や内服薬に干渉することのヤバさ。
これ、めっちゃ難治だったり原因不明の病でもみられる現象なんだけど、

 

・精神的に不安定な人に、現状についてさらに不安を煽る


・話を聴いて自分への依存をさせる。周囲から距離を置かせ、孤立させることで自分の影響力を高めていく


・現在のやり方を否定して治療のルートから外す

 

これ、かなり危険だと認識してほしい。
身近な人が死にたいと言っていて、何もできないことに無力を痛感する。わかる。
何か手助けをしたい。目に見える形で、成果を伴うものであって。わかる。

 

でも、あなたのすることは治療じゃない。
投薬などの「治療」は何もできないということを自覚して、それでもなおそばにいること。物理的なそばでも、心理的なものでもいい。
一見何もしていないように見えても、それがそばにいる人のできることで、死にたい人の求めていることなんじゃないかと思う。死にたいくらい辛いときに、それでも死んでほしくないという人が近くにいて、離れないでいてくれる。
その人が死にたくなくなったとき、あなたがそばにいてくれたことは、最大の「治療」になっているかもしれない。

 

そして、人は絶望からそうそうすぐに立ち直れるものじゃない。忘れることもできないのだから、「忘れよう」「なかったことにして今まで通りの生活を送ろう」というおすすめをしてはいけない。
今そこにある絶望に耳を傾けてほしい。
ときにそれはつらい作業になるだろう。そばにいる以外何もできないのだし、それで相手の死にたい気持ちが消える可能性はさほど高くないかもしれないからだ。
時間もかかるだろうが、焦って「同じくらいつらい思いをしている人もいる」「私もつらい」というような、絶望の否定をしないこと。

 

それから、医者に代わって「治療」をしたがる人の危険性について。
一緒にいる時間が長ければ話をすることも多いだろうし、医者より長い時間を共有することができる。話を聴いてくれるあなたに、患者がかなりの精神的な依存を強めてくることはあるだろう。しかしそれを権力として使ってはいけない。治療の司令塔になってはいけない。
また、あなたと相手は別の人間で、できることにも限界があることは提示しておいた方がいいだろう。依存させるだけさせておいて、それまでの医者から遠ざけ、治療を中断させるなどした後で手に負えなくなって放り出したとき、相手は着実に破綻への道のりを進む。最悪だ。

今回実際に行動に移し始めていた近親者がいたし、本人も治療への不信も口に出し始めていたのでヤバかった。

 

スポーツのチームであれば、監督は1人だ。観客が監督の采配に異議を唱える自由はあるが、選手席で監督をし始める観客がいたらヤバいでしょう。
司令塔が複数になることで選手は混乱する。もともとあった監督と選手の信頼関係が崩れ始めると、もはやチームとして成り立たない。

医療にも同じことが言える。医者と患者には信頼関係がなければ医療そのものが成り立たない。

「この薬は効いてないんじゃないか」「転院した方がいいのではないか」転院先を探して連絡してしまう人もいる。身近な信頼している人のそうした行動が、善意からであっても今までの治療をぶち壊しかねない。

 

繰り返しになりますが、本当に死にたい人に、速やかに効く特効薬はないです。身近な人はそばにいて離れず、話を聴く。これができること。

死にたい人に説教を始めたり、絶望の重い軽いなどのジャッジをしない。今のその人を否定しない。主治医ではないのに主治医になってはいけない。これがしてはいけないこと。

 

精神科の話になると必ず「日本の精神科は腐っていて信用できる医者に出会えない」「薬漬けにして話も聴かない」という意見がくる。わからんでもないが、主治医は24時間一緒にいられるわけじゃない。永遠に話を聴き続けることは不可能だし、それは医者でなく身近な人の役割であろう。それから、薬だけが治療ではない。むしろ薬は補助的なものであって、主たるストレスの排除であったり必要な支援が得られたり孤独でなくなったり、潰れる前にストレスから逃げることのできるスキルを身につける、そういったことなしにひたすら薬が効かないつうてもそら厳しいでよ、と個人的には思っている。

まぁそっちにいくと話がずれるのでまた何かの機会に。

 

今回、予期せずガチで「死にたい」と言われてまず動揺しまくった。行動したことは話を聴くこと。死にたいのは理解できるけど、生きていてくれて嬉しかったと伝えたこと。そばにいる人に、司令塔が複数になると混乱をきたすので、それはやめてほしい、ただそばにいてあげてほしいと伝えたこと。できたのはそれくらい。

最後に、これを書く前に複数の精神科医に話をきいたのだけど、「大事なもの、愛しているものを持っている人はね、死なないんですよ」と言われたのがいつまでも頭に残っている。

つまり、大事なものを持たない人は死んでしまうということで、死んでしまった人に遺された人は、「愛されていなかった」と一生傷を負い続けるのかもしれないということで。

まぁまとまりないけど、とりあえずやっちゃいけないことだけでも参考にしてもらえたら。

 

 

 

職場に子連れで行けるようになるのは望ましいだろうが、それが議会だとどうなのかと思ったこと

熊本市議の女性が乳児を連れて議場に入って退場を言い渡された件、妊娠中から子連れで議場に入ることや託児所の問題については提起していたものの、シッターを雇うなどしたらどうかと提案され、個人的な問題とはしてほしくなかったとのことなのだけど、善悪の問題ではなく、疑問に感じたこともいくつかあり。

 

子連れで出勤できる職場であってほしい
保育所の拡充を

 

ということはあまりみなさん異論がないと思うのだけど、
じゃあ預け先がない場合、何歳まで職場に連れて行っていいんだろうか。職場というか、議会に。

 

それと、市議会は年間100日ほどで、話題の議員は出産後ずっと欠席していたらしいのだけど、この方って天涯孤独な方なのかしら。
でも、最終的には知人に預けたとのことなので、それは可能であったということですよね。

よく女性だけで子育てしてるCMなど「夫は何してるんだ!」って炎上するけど、この方の夫っていないのかしら。


私自身は母親だけが育児をするのはいかがなものかという考えなので、夫が育休を取って妻が議会に出るということがあってもいいと思うのだけど。まぁ産後半年ちょいだし、無理して働かなくてもいいんじゃないか感もあるけど。

 

そして、お給与は熊本市議の場合、月に67万らしいのだけど、ただの一度もシッターを雇ったり、知人や家族に預けることもなく初めて出席したのが規定では許されていない子連れと。
みたら熊本市も保育園の空きはさほどなさそうですが、逆にその状態で市議のための託児所の方がやはり優先されるのかしら。
議員の場合は議会に出ないと給料が出ないというわけでもないみたいだけど。
そのへんが一般企業とは違うような。

 

人にはいろんな事情があるし、家庭環境もあるので個人のやり方に口出しするのもいかがなものかと思うけれど、公人としての問題提起なようなので、つっこまれるのは想定内だろうということで書いているのだけど。

 

例えば医師の場合、たまに子どもが医局にいることはあるのだけど、カルテなど個人情報の見られる区域ですし、違和感はあります。どの職場でも子連れでいいということにはならないでしょうね。
昔の上司の産婦人科女医は、夜中に緊急で呼ばれて子連れで出勤したが、子どもは看護師の控え室に転がされたままで、緊急事態だから当然面倒見る人がいるわけでもなく放置。
子連れ勤務が可能なのは、周囲に面倒の見られる人員がいるということが前提になるのだろうと思います。
子どもが保育園に入れない女医は子連れで仕事してるかというとそこはシッター雇ったりしていて。もしくは家族に負担かけるか自分の勤務を制限するないし数年休業。

 

議員さんを擁護している方たちは「職場のみんなで子育てするのはあり」という意見のようだけど、一般企業や学校ではあり得るとして、議会という場ではどうなんだろう。
規則だからダメと一律否定するのも、今後子育て中や妊娠の可能性のある女性は議員になる道が狭くなるわけで、そこは将来的に改善されるべきだと思うんだけど。何かしらの子連れルールは必要そうな。

 

まぁ、女性が多く想定されていない職場に早期に復帰する場合は相談先もなければバッシングも受けやすいし、ドンづまった結果、子連れで議論を巻き起こすしかないという何十年も変わらないままの社会情勢が浮き彫りになったなと思います。私含めて事情を知らない者にいろいろ勝手に推測されて書かれるわけだし。

性暴力を予防するための思春期の教育や対応

☆会場でのスライドをそのまま使うのはいかがなものかというご指摘をいただき、各みなさんに承諾をいただいております。

 

まずはじめに、榎本クリニック 斎藤さん。クリニックで加害者の治療に携わっている。
榎本クリニックは加害者の治療もしている精神科クリニック。

「性暴力の社会病理と予防教育」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170827-00006568-bengocom-soci

ちょうど本を出したばかりなのですね。

この記事に、「長距離通勤者の属性考えたら当たり前だろう」というコメントつけている人も見ましたが、その方は治療に携わっているわけではないので、スルーでいいでしょうね。

実際治療にあたられている方は、本当の加害者像と被害者像を知ってほしいとのことでした。

 

 

一番多い性犯罪は痴漢である。加害者で一番多いのは四大卒の家庭持ち。そして、一般的に知られていないこととして、痴漢は勃起していない。原動力は今まで言われていたような性欲ではないのでは?という疑問が生じた。

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ほとんどの加害者は交番の前ではやらない。明らかに計画性を持ち、被害者を選別している。そしてスキルアップをしていく巧妙になっていく。性犯罪の90%は不起訴で、ほとんどが泣き寝入りである。ある調査では、1人の加害者が生涯の被害者の数は380人。逮捕されなければ行動変容は難しい。

 

加害者治療は、奈良の小1誘拐殺害事件から始まった。

 

刑務所から出てきてすぐに性犯罪を犯す現実。継続した専門プログラムは義務付けられていない。

 

リスクに応じたプログラムを編成し、受けてもらう。
加害者家族の支援は、ドロップアウト率に影響するため、家族の支援は大事

 

(まぁ理解が得られなければ縁切られてそうだけど、支援者がいないと再犯はしそう)。

 

変化させやすいリスクについて焦点を合わせる。生育歴など変化しないものには焦点を当てない

 

(今まで生育歴が犯罪を引き起こすように思われていたし報道もされてきたけど、変わりようのない過去のことに焦点を当てても何も変わらない。将来のためには修正可能なことについて何がリスクなのかを考えていくということである)。


文化や学習のスタイルなど、変化しやすいものからアプローチしている。
生育歴から性犯罪を行う者はわずか。生育歴が性犯罪を惹起するというのは「神話」である

(光市母子殺人事件なんかはそういう分析がされていたように思うけど)。

 

性犯罪の加害者は、継続してプログラムに参加し続ける必要がある。一生欲求はなくならないからである。


コーピングは大事で、別のことをすることで性犯罪に至る前に気づく、自制する行動。保冷剤を握るなどのセッションを行う。輪ゴムをはめておいたり、デスソースを舐める人も。
電車に乗るときは手袋をはめるのもコーピングである。痴漢は手袋をしない。感触が伝わらないからである。
自身のコーピングの開発が大事。嫌いなアロマオイルを持ち歩くなど。

ここで被害者に多い特徴だが、圧倒的に「逮捕されなさそうな人」。

 

(わかるわー!!!泣き寝入りしそうな人でしょ。だから学生とか幼児が選ばれるのだろうな)

おとなしい人が選ばれる。加害者が被害者を選ぶにあたっての最優先事項は、「逮捕されないこと」。

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続いて、佐賀県DV総合対策センター
原健一さん
性暴力被害者の支援と予防教育を行っている。

 

センターは、当時の知事の意向で作られた。都道府県で唯一の施設である。好きにやれと言われた

佐賀県知事グッジョブすぎない?全国的に賞賛されるべきじゃない?)。

中学生向けに資料作成。性犯罪は、法律で取り締まられているのは一部にすぎず、広義には女性の望まない性的な言動も含む。
(ハラスメントってやつですね)

カウンセリング29回分を公費でまかなっている。(いいぞ佐賀県!!!!)

 

新たな取り組みとしては男児の被害も対応し、口腔咽頭その他の性感染症の検査を始めようとしている。
後遺症のケアまではできていないのが現状。
今までに1220件に対応、60%が強姦被害。50歳以上でも幼少期の性犯罪について引きずっている人のケアをしている。

(性犯罪は魂の殺人と言われているが、一生にわたってその人を蝕み続けるということですね)

 

SNSで起こっている性犯罪は、悩み相談から会うケース。加害者は傾聴スキルがかなり高い。自分に惹きつけて犯行に及ぶ。
(保護者の方!!!!これ必修問題です!!!!)

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子どもは黙っているだろうと思われているのかも。
被害者は多重の被害を受けていることが多い。DV家庭など。
12~19歳までの被害者の事例。どの家庭もネグレクトや暴力を受けていた。

成人で被害に遭うのは、会社の飲み会で上司から呼び出されてレイプというケースがかなり多い。LINEで呼び出されるケース多し。

(上司とLINEで繋がるのは、LINEに限らずSNSでは極力繋がりたくないわ。公私混同してくるやつおるし)

SNSでは性的接触目的が90%。

(これも必修問題ですよ!!!!!!)

 

続いて、日赤九州看護大 永末美雪さん。吉村医院で仕事をしていた(個人的には吉村医院にはマイナスの印象しかないので、紹介のエピソードとしてこれはプラスな情報かなあ…という疑問が…)

性犯罪は、男性では幼児、女性では20代が被害者として多い。

(逮捕されないこととかが前提だとそういうことになるんでしょうかね。)


中学生のほとんどが性犯罪は自分に無関係だと思っている。自分の問題として考えられるように教育するのが予防。

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ここからは、質問とそれに対する答えなど。
痴漢加害のきっかけは偶然触れることで始まったり、あと他人が痴漢しているのをみて自分も、と始めたり、倒錯的なサイトを繰り返し見て実行に移すパターンも。あと、同じ駅で加害者と被害者が同じ駅で降り、そのままホテルに行ったと主張している人もいたが、加害者側からしか聴取していないので真偽のほどは不明とのこと。

 

AVは抑止力になるか?→加害者になっている人にはトリガーになるので抑止力にはならない。
治療に関わることで批判されることも多い。被害者からの批判もあるし、男性側からだと加害者になる可能性について認めたがらない、加害者性を認識することが大事。

(まぁ依存症という認識はまだまだ知られていないように思いますからの)

 

社会で認知されているのは、被害者は被害者らしくしろということ。先日、元TBS社員にレイプされたとしてジャーナリストの詩織さんが第1ボタンを開けて会見したことで、視聴者から大バッシングを受けた。そういうことが世間の被害者かくたるべし論を象徴している。

 

最後に座長80歳の締めの言葉、思春期の男子は性欲のかたまりである、昔は手を握るのにも苦労した、簡単に触らせてもらえなかった。イタリアではハグなどが当たり前、エスコートは腰に手を回す、それが当たり前。文化。痴漢や盗撮は日本の文化と言えるのではないか。

 

(そうなんですか…これはまあ、率直に言って So what的な感想しかありませんでした。文化は尊重するものと教えられてきましたし、イージーにボディタッチをする習慣の国々もあるでしょう。どちらかに合わせる必要はない、しかし強制はされたくない。触れられたくない相手にNOと言える私、NOと言われたら了承する私でありたいものです)。

「若者たちの性に何が起こっているか〜セックス嫌いな若者たち〜」2017年思春期学会 北村邦夫先生

学会で聴いたことの書き起こしで、カッコ書きは自分の個人的な感想です。

 

家族計画協会が得た18~34歳の未婚者の特徴とは。
共有すべきデータとして、1263人から得たデータ。

 

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結婚に期待することとして、女性は経済的に充足が得られるということ、男性では性的な充足が得られるという点で差が見受けられる

 

(男女で全然理由違うっていうのがすげえギャップを感じるというかヤバい。女性は本当に自由を手にしているのか。しかし男性も同様にATMとしての役割を求められ続けていてつらみがある)。


結婚にあたり不安なことで圧倒的な不安が経済的な事情。

人工妊娠中絶は17万、1955年は100万超えだったので減ってきた(いつも20万超えてたから減ったわ!)。
梅毒は急増している(これはなぜなのかは分析がまだ完全ではないけど)
2005年~2011年で大学生の性交経験の確率は減少。これはなぜなのか。

 

結婚観の変化と経済的不安


コミュニケーションがめんどくさい
性交については積極性が二分化している(やっちゃった人はやるしやらない人はとことんやらない)。


SNSの普及によるカジュアルセックスが増えているのでは(いやー、それもあるとは思うけど、「晒される」リスクで怖じる人もいると思うよね、元彼のちんこサイズをネットに放つ女子もいるし、LINEのスクショも晒される、個人情報の暴露やそれから始まる攻撃もよく目にするし)。

 

この10年で性交経験のない割合は増えている


未婚女性では30~34歳で性交経験のない割合がかなり上昇(これは、ある程度の年齢を越えると相手が見つからない、セックスへの怖れとかそういうものがあるように思う。実際そういう患者を外来で診ているが、性交経験のない人は大抵一年後にお会いしても変わらないことが多い)。


性交経験のない男性では酒やタバコを嗜まないパーセンテージが高いが、これは経済的な問題ではないかと。酒やタバコに使う金がないと。

 

しかし、若者たちのセックス嫌いは日本に限ったことではなく、アメリカでも性交未経験は増えている。
日本において、20歳未満は男性、女性の性交経験は16~19%程度と少ない。
望まない妊娠を防ごうとピルを推奨し、性感染症を防ぐためにコンドームを使おうと呼びかけてきたが、取り組みは正しかったのだろうか。セックスすること自体にリスクがあるというメッセージのみが発信されすぎたのではないか。性交するのが自然という教育を取り入れていくべきではないか

 

(まぁ学生時代までセックスするなみたいなこと言っておいて世間に出た途端セックスしろって言われても無理がありすぎるわ)。

 

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日本人のセックス回数は年間48回。ギリシャは164回
セックスレスという言葉があるのはおそらく日本だけ。
日本では婚姻関係にあってもセックスレスは47.2%(2016年
2004年は31.9%)(婚姻率が上がれば子どもは増えると単純に考えている人もいるが、それは違うということが示されていると思う)

パパママと呼び合うのもセックスレスを引き起こしているのではないか(まぁこれはどうでしょうね。少子化セックスレスが話題になる前から子を持つ男女がお互いをパパママと呼び合うことは慣習としてあったのではないかな)。


男性は圧倒的に仕事で疲れている人が増えている。(これはわかる。早朝に家を出て、深夜に帰宅する。田舎では年収の高い仕事は都会に比較して少ないために都会に出る、通勤時間とラッシュもかなりのストレスであろう)

 

(一方女性の理由はめんどくさいw セックスレスの原因は女性のセックス嫌いもあるんじゃないですかねw)

 

ここで実際の性交未経験男性の声。ルックスで選ばれるという誤解、コミュ障であるということからの消極性、経済的不安。
生身の女性に対する嫌悪感。風俗に行ったことで女性全体に嫌悪感が拭いきれなくなってしまった。
オンラインでは会話できるがリアルでは会話ができない

 

(これは訓練次第であるし、スムーズに言葉が出てくるまで相手が待つということも非常に重要なことだと思います。実際にネットで知り合った若い子とリアルで会うとき、ネットほど饒舌に、スムーズに言葉が出てこない経験はよくあるが、そもそも脳内に浮かぶ感情や考えていることを思うように口に出すということは意外に難しく、また個人差を非常に感じる)。

 

簡単に異性とコミュニケーションできることも原因では?

 

(昔は黒電話で家族からつないでもらっていたためコミュニケーションに努力を要したということが話されていたが、どうでしょうかね)。


セックスよりも大切なことがある(まあこれはわからないでもない。時間は有限であり、ここまで婚姻や子どもを持つことがイコール幸せではないと認識されている現代で、なおかつパートナーや子どもがいることで自分の時間がなくなると思っている人もそれなりにいるので、自然なながれであろう)。

 

日本の少子化計画はすでに子どものいる人たちのものが前提である。待機児童の解消や妊婦健診無料化などがそうで、セックスをしたことがない、パートナーを持たない層への介入がない。
(ここで突然のスマホが悪いdisあり。???スマホが出る前からゲームはありましたし時間のかかる趣味などもあったはずで、SNSスマホ利用とセックスレスを結びつけるのはちと短絡的かなと個人的には思いました)

 

小括とパートナーと距離をつめる手順のスライド、これはぜひ学校教育に取り入れてほしい!

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感想として、若者はセックス嫌いというより、生きる、生活することがギリギリで、セックスどころではないというか、そういう現状がセックスレスやセックス未経験の増加を招いているのではないでしょうか。

要するに5000兆円くれみたいな話。

日本の中絶は患者を懲らしめるためのものなのか

ツイッターを眺めていたところ、

「医療手技はよく『懲らしめ』に使われる。日本の中期中絶は麻酔を使わない、初期中絶も世界の主流である吸引法ではなく痛みを伴う掻把術であるのもそうだ」

「古い手技に固執していることで患者への身体的負担と苦痛をあえて維持している」

「中絶薬が日本で認可されないのは負担の少ない中絶は悪だからという日本的価値判断があるのでは?」

「中絶は開業産婦人科医の主な収入源の一つなので既得権益にしがみついているのでは?」

という精神科医のポストをみて?????ということばかりだったのですが、医師でさえそれならば、そのように思っている人も多いんだろうなー。

 

というわけで、いや、違いますよということについてつらつら書いていきます。

 

まず、中期中絶とはなにかですが、膣から手術できない大きさに育った胎児の中絶法です。点滴を使ったり膣剤を使用しますが、通常のお産のように分娩するので痛みが伴います。

ここでふりかえってほしいのは、通常のお産で麻酔、つまり無痛分娩は普及しているかということですけど、してません。痛みがあればこそ母親になれる精神論がそれを阻んでいる説も強いですけど、最も普及しない理由は麻酔科医の不足です。365日24時間対応できるマンパワーはないです。

そんなわけで、当然同じような中期中絶についても麻酔は普及していません。医療保険は使えないので、どうしても自費でいいからしてほしいというならありかもしれませんけど。

 

初期中絶についても世界で主流である吸引法でなく古来よりの掻把術にこだわるのはなぜかということですが、単に機材が高価すぎるからです。中絶でも流産でも使用する医療器具は同じですが、流産の費用はだいたい3万程度です。

吸引法で患者ごとに使い捨ての器具を使うと2万くらいかかるので、薬剤料など合わせるともう人件費は出ない計算です。

医業はボランティアではないので収益を出す必要がある以上、初めから赤字とわかっている方法は普及しないでしょう。

 

そして、掻把術は痛みを伴うものであるかといえば、無麻酔で行えば当然激痛ですが通常麻酔を使います。きちんと使えば痛みはないです。寝ているうちに終わります。

「いや、私は痛みがあった!」という人もいるかと思いますが、今の40代以上の医師のほとんどはストレート研修といって、自分の科の研修だけをしてきた医師です。よって、患者を懲らしめているというより、単に痛みをとる麻酔薬の知識がないだけというパターンも散見されます。そういう先生にはちょっと勉強してほしいかな…。

ただし、母体保護法指定医のごく一部ではあるけれど、患者を懲らしめる意図は持っているのは事実だろうと思います。なぜなら自分の昔の上司がそういう人だったからです。今もその医師がそういう考えなのかはわからないけれど、少なくとも20年近く前にはいました。個人的には、そういう医者はご自身が医療行為を受ける際も多少痛みを感じながらされたらよろしいんじゃないかなとは思っています。

 

そして、中絶薬ですが、飲めばするっと中絶できる夢のような薬ではありません。

個人輸入する人たちへの注意喚起として厚労省が記載しているのは、内服可能な期間は、最終月経から数えて49日間です(WHOでは妊娠9週までは可能、ただし成功率は週数が進むと下がっていく)。だいたい妊娠6週〜9週くらいですので、薬の処方を受けるには、その時点で病院を受診している必要がありますが、現実には最終月経を覚えていない人もかなりいてそこそこ週数が進んでから受診する人も多いので、認可されたとしても限られた人しか内服できないと思われます。

ので、ぶっちゃけ認可されたとしてもそんなに主流にはならないんじゃないかな…。

あと、内服後は当然出血が起こりますし副作用もありますのでそこはお忘れなく。

 

中絶が開業医の主な収入源なのかどうかは私は勤務医なのでわかりませんけど、病院では圧倒的にお産と手術が収入源でしたね。

大昔にピルが認可されないのは中絶が減るからだという話は聞いたことはありますが、現代にそれで食ってる開業医あんまきかないですね。

ただし、やはりごく一部にばんばん危険な中絶もやって死亡者を出しているクリニックもありますので、同業にそういう医師がいるということは残念ながら認めないといけないところ。

 

なんだやっぱり懲らしめるために痛みがあっても良しとする医師もいるしがっぽり中絶で儲けてる医師もいるんじゃんということではありますが、それが日本全体の産婦人科医、母体保護法指定医と思ってもらっては困る、つかデマっていうか陰謀論でしょそれは。

ヘイトスピーチ垂れ流してる人をみて海外の人が「これが日本人の総意か!」と思っていたら「いやいやそれは違うから、ごく一部だから」って誤解を解きたくなるでしょ。そんなかんじ。

まあ母体保護法指定医の仕事とかどうでもいいでしょうし器具が高いとか麻酔科医がいないとか知ったこっちゃないと思われるでしょうけど、そして医者が金の話するのは好まれないのも知ってるんですが、医療はボランティアじゃないんで、利益は出さなきゃ食っていけないんですね。どんな小さいクリニックも事務がいれば看護師はじめスタッフもいるから食わせなきゃいけない。経済的な負担が上昇してもよければ、吸引法での流産手術は増えると思うし無痛分娩も増えると思うよ。

 

そんなわけで、当該の精神科医師のツイートは「これが日本の医療だ!」みたいに思われると困るんで書きました。

多くの産婦人科医は母体を保護する立場なので、痛みを取り、次回以降妊娠希望がないならその方法を伝えていて、懲らしめるための医療はしていないということだけは知っておいてほしいところです。

追加)

生理前、イライラしたり死にたくなったり暴力、暴言をはたらきそうになるあなたに、そうでなくとも生理前、つらいあなたに~月経前症候群と月経前不快気分障害

 

ある日、何とはなしに「産科と婦人科」2016年12月号を手に取ると、「月経前症候群、月経前不快気分障害の最新知見」とな。

 

それが、あまりに知ってくれみんな!という内容だったので、かみ砕いて文章化していこうと思う。

 

 

PMS/PMDDとはなんじゃ

 

PMSとPMDDは、古くは紀元前から認識され、古代ギリシャ人は「子宮が胎児を探し求めて体内をさまよい、月経が来るとおさまる」という説を信じていたもよう。ホラーすぎる。

 

両方とも、大きな差はないが、鬱々としたメンタルの落ち込み、怒りの爆発や不安感などの精神症状、おっぱいの張りやむくみ、おなかのふくれるかんじや頭痛、体重増加などの身体症状両方で、実際には、月経前になると普段ならやり過ごしているようなことでもイライラがコントロールできない。それへの自己嫌悪もひどい。

 

仕事をしている人なら職場での人間関係に支障をきたすこともあるし、子持ちだと「虐待してしまいそう」と駆け込んでくる人も。過食をくりかえしたり、むくみに悩んだり「普段の私はこんなんじゃない!つらい!」っていうかんじ。

さらに高校生は11%がPMSPMDDで学校欠席って、学業に支障出ちゃってる!

 

「中等症から重症のPMS/PMDDで治療が必要な75人のうち、治療を受けているのは5人、患者は200万人いる」て、おいおい!

 

というわけで、自己診断で「私、ひょっとしてPMS/PMDD?ってなった人は、日常に支障をきたしているなら受診を考えてみてほしい。

 

ここで原因だけど、ぶっちゃけ「これが原因ですドヤ!」というものはなし。なんかホルモンやらセロトニンやらが関わってるらしいけど。よって、日常生活で「これに気をつけたらいいよ!」というものもない。

 

治療

まず、婦人科受診のハードルが高いだろうけど、内診は必要ない。自分の最も困っている症状を伝えてくれ。自己診断表に記入していただいたりするとなおわかりやすし。

して、薬なら西洋薬に不安があるか、ピルや向精神薬はどうだろうか。治療に対しての希望や不安も率直に話してみよう。

 

漢方薬:効く人は効く。まずはここからお試しでもいいと思う。大きな副作用はあまりなし。費用安し。毎日飲まなくてもよし。

ハーブ:自分がくわしくないこともあって使ってないが、そういう治療もあるらしい。

低用量ピルPMSの重症型がPMDDと考えればいいけど、精神症状に効果のあるピルもあります。費用高し。月3000円くらい。血栓のできるリスク有(妊娠でできる血栓の1/6のリスクと低いが知っておく必要あり)。毎日飲む必要あり。避妊効果もついでにあり。

向精神薬:毎日飲まずとも、症状の出る排卵後から月経開始くらいまで飲めばよし。費用安し。

メンタルの症状がメインで、比較的暴力になってしまう人は日常生活や社会生活に支障や破たんをきたしているので、なんでもいいんで治してください!っていう状態になっていることが多くて、飲むことに抵抗が低いように思うけど、中等症くらいの人だと「私が私でなくなってしまうのでは」「依存が怖い」「どういう変化があるのかわからなくて怖い」ってパターンが多いかも。

いや、人格変わるわけじゃないしひどい依存性もないし、気持ちのジェットコースターを平坦にするってだけです。ろれつが回らなくなったりもしません。念のため。

治療法の選択は好き好きというか、症状や切迫具合、主治医と相談して決めましょう。どの治療にも良し悪しやリスクというものがあります。

なお、生理前に死にたくなるような人は向精神薬を飲んだほうがいいとは思います。

 

終わりに

PMS/PMDDは、治療が必要なのによく知られておらず、苦しんでいる本人さえ気づいていない病気だったりします。

この病気が知られること、適切な治療につながり、困っている人が支障なく日常を送れるようにと書きました。主治医になれるわけではないので、みなさんかかりつけの産婦人科医を作って相談してみてください。

生理のない男性も、知ることで受診をうながすことができます。

まだまだ「PMS/PMDDってなんなん?」という空気ではありますが、みんな名前を聞けば思いつくくらいの認知度になってほしいと思います。じゃな!自己診断表はめんどくさいけどTwitterの画像開くか、「PMDD 自己診断表 チェック」で出てくると思うよ!